2026年3月15日
Japan ACM SIGCHI Chapter では,人と情報技術の関わりに関する学問・技術分野の発展を図る目的で,2020年度に次の賞を創設しました.
この度,ご推薦をいただいた候補者から,厳正な審査に基づき,2024年(第4回)の受賞者として次の方々を受賞者と決定いたしました.
授賞理由:
暦本氏はヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)分野の国際的先導者として、 平成6年に世界初のモバイルAR・マーカー型ARシステム(NaviCam、CyberCode)を、平 成13年にマルチタッチ技術の源流(SmartSkin)を発明し、現在のスマートフォン等の基 盤を築いた 。近年はHCIとAIの融合に注力し、CRESTやムーンショット、ASPIRE等の大 型プロジェクトを牽引するとともに、新たな学問領域「人間拡張(Human- Augmentation)学」を創設し、国際学会Augmented Humansの設立に貢献した 。これら の業績により、ACM CHI Academy選出、UIST Lasting Impact Award(2回)、全国発明表 彰特別賞、市村学術賞など国内外の重賞を多数受賞し、論文被引用数は3万5千件を超える 極めて高い評価を得ている 。さらに、多数のACMトップカンファレンスでの委員長歴任や JSTさきがけ研究総括を通じて学界の発展に寄与した 。東京大学においては寄付・社会連 携講座の創設を通じて産学連携を主導し、20名の博士を含む多くの優秀な人材を次世代社 会へ輩出するなど、教育・組織運営にも多大な貢献を果たした 。以上から、氏は2025年の Japan SIGCHI Local Chapter業績賞にふさわしい業績を有すると判断する。
授賞理由:
杉浦裕太氏は、生活に溶け込むAI・情報技術の実現を目指し、実世界インタフェースに関する先駆的研究を推進してきた。安価かつ簡便に利用可能でありながら、人々の生活行動から多様な情報を取得し、それを豊かな表現や体験へと結びつけるインタフェースを数多く提案・実現している。これらの研究成果は、CHI や UIST はじめとするトップ国際会議で発表され、高く評価されている。
さらに、これらの研究をヘルスケア、福祉、育児、エンタテインメントなどの幅広い分野へ展開し、オープンソース化やアプリケーション提供を通じて社会実装を推進することで、共創的社会の実現に貢献している。氏の研究業績は国内外で高く評価されており、文部科学大臣表彰 若手科学者賞、船井学術賞、IPSJ/ACM Award for Early Career Contributions to Global Research、UIST Best Paper Award などを受賞している。
また、氏は学術コミュニティへの貢献にも積極的に取り組んでおり、SIGGRAPH Asia Emerging Technologies や CHI Interactivity におけるChairを務めるとともに、UIST や TEI において複数回にわたりProgram Committeeを務めるなど、国際的な学会活動にも大きく貢献している。